
写真は、UNRWAパレスチナ刺繍プロジェクSulafaのガザ難民女性たちが、ガザの学校の一部に集って刺繍をしているところ。2025年6月16日の写真。主に刺繍ストールを作っている。(UNRWA提供)
刺繍を通しての支援の糸を切らない
ガザの女性たちを支えるパレスチナ・アマル
日本でガザのパレスチナ刺繍を紹介し、オンラインで販売する「パレスチナ・アマル」(北村記世実代表)は、UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の刺繍プロジェクト「Sulafa」に所属する400人の女性たちが手作りでつくる刺繍製品を扱い、彼女たちの仕事と暮らしを支えてきた。
刺繍は失業率の高いガザにおける貴重な収入源である。同時に、文様によって作られた地域が分かり、母から娘へと受け継がれてきたパレスチナ女性のアイデンティティーの象徴でもある。
北村さんとSulafaのパレスチナ刺繍との出会いは1999年。ボランティアとしてガザで活動した際、自分へのお土産としてストールを購入したことが始まりだった。長年愛用しても糸のほつれがなく高品質だったことから、「日本で販売するのであればSulafaのものが良い」と考え、2017年から実際の取引を開始したという。
しかし、2023年10月にイスラエルによるガザ攻撃が始まると、Sulafaのセンターは破壊された。女性たちが多く暮らす北部のジャバリア難民キャンプやビーチ難民キャンプも攻撃を受け、彼女たちの安否さえ確認できない状況となった。それでも女性たちは、避難先に針と糸を持って逃げ、テントの中で「正気を保つために」刺繍を続けた。しかし、ミシンがないため縫製することができず、刺繍は未完成のまま残された。
北村さんは、販売事業だけでは長期化する戦争の中で支援を続けることが難しいと考え、2023年12月、別組織としてガザ支援NGO「アマル・フォ・ガザ(Amal for Gaza)」を立ち上げた。募金による支援に加え、日本国内で刺繍を展示し、その美しさを通してガザに生きる女性たちに思いを寄せてもらう活動を始めた。
Sulafaには、未亡人や離婚した女性など、社会的に弱い立場に置かれたガザの難民女性たちが所属している。北村さんは2017年、完全封鎖下となったガザを訪ね、Sulafaの女性たちと面会した。
北村さんはこう語る。
「彼女たちは誇らしげに刺繍を見せてくれました。ある女性は、夫を亡くしたあと、遺されたふたりの男の子をSulafaの刺繍で大学まで通わせたそうです。彼女たちにとって刺繍は、生活を支える糧であるだけでなく『誇り』そのもの。それを日本で販売することは、彼女たちの尊厳を守ることにほかなりません」







パレスチナ・アマルHP⇒https://amal-f.jp/